湿度を極める!その1の4・・・相対湿度と絶対湿度はどちらを採用するべきか?

相対湿度と絶対湿度。

このどちらかの単位を仕事に使うことで結果は変わります。

ほとんどの方が相対湿度が気になるとは思うのですが、

産業や工業では絶対湿度の方が重要なのです。

ここで1度・・・湿度の歴史を見てみましょう。

そこに何かヒントがあるかもしれません。

 

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湿度の歴史は古く・・・

紀元前に古代中国で発明されています。

「羽毛と炭を天びんにかけ燥湿の気を知る」となっていますが、

これは「水を弾く羽毛と多孔質構造の炭を天びんにかけ乾燥と湿気の大気を調べる」になりますかね。

 

80年後には土と灰に代わり・・・

1500年後にはイタリアでは海綿に姿を変えています。

 

dabinchi

この方式にはレオナルドダビンチも発明しています。

こちらの絵はアトランティコ手稿より引用しました。

 

ここまではほぼ相対湿度と呼べる湿度計の原点ですが、

1751年ル・ロイにより露点計の原点が発明されています。

絶対湿度はこの時誕生したものと考えても良いかもしれません。

 

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1772年にドイツのランベルトが物質の伸縮式で湿度計を発明しました。

これが現在でも使われている毛髪式自記温湿度計の原点になります。

 

1815年にゲイ・ルサックにより乾湿球による湿度計が発明されています。

これもアスマン通風乾湿計の原点ですね。

 

日本も負けていません。

1871年に清水金左右衛門が物質のねじれを利用した湿度計を発明しています。

これは現在ではバイメタル式湿度計として一番普及しているものです。

不思議なもので・・・ル・ロイの発明した露点計以外がすべて相対湿度計なのですね。

 

私見ですがこの理由として人間が感じる湿度が相対湿度だからだと思います。

人間は発汗するために蒸発潜熱による皮膚表面の温度低下を感じることが出来ます。

これは体の仕組みとして乾湿球による湿度計を持っているとも言えますね。

この為に広く相対湿度が普及したのではないのでしょうか?

 

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相対湿度と絶対湿度はどちらを採用するべきか?

絶対湿度という単位がよく使われるようになったのはつい最近のことです。

絶対湿度は・・・

・単一の物理単位なので国際的なものさしとして使用が出来る。
・比較的高精度・高価な計測器になる。
・絶対値なので生産管理などに効果的。

この他に・・・

・エネルギーなどの熱効率では使用される。
・空気以外のガスなどの水分量も絶対湿度。
・炉のなどで使われる各種化学反応にも応用される。

 

つまり、相対湿度はまさに歴史を感じる単位であり、

絶対湿度は今風のお洒落な現代の単位なんですね(笑

では、どのようにつきあえば良いかは次の記事で紹介いたしましょう。

 

相対湿度も絶対湿度も計れる私の1番お薦めの温湿度計がこちら→計測用温湿度センサ

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湿度を極める!その1の3・・・相対湿度と露点温度の関係とは?

温度と相対湿度から結露をする温度(露点温度)を計算することが出来ます。

基本的に飽和水蒸気圧表から求めるのですが、

今回もバッタさんを使って説明したいと思います。

 

ここで一番重要なことは・・・

温度が変化することが必須となることです。

温度によって水に砂糖が溶ける限界量(飽和)が変わることはご存じですか?

これと同じ現象が空気と湿度でも起こるのです。

 

まずはバッタさん登場!

 

 

この箱の中にバッタさんが50匹おります。

この時の温湿度条件が25℃/50%rhと仮定をすると・・・

箱の中にはまだ50匹のバッタさんを入れることが出来るのですね。

もうこれ以上入らない/相対湿度100%rhの状態の時を飽和状態。

動き回るバッタさんが圧力センサに当たることで生じる圧力を飽和水蒸気圧と呼びます。

 

さて、この箱の温度を下げていくと箱の中に入れるバッタさんの数は減っていきます。

目安としては温度が一度下がる毎に湿度は約3%rh上昇する関係です。(かなり大ざっぱ)

25℃/50%rhの条件時の露点温度は飽和水蒸気圧表から約13.9℃DPなので、

この箱の温度をそこまで下げていくと相対湿度100%rhの状態になります。

 

ここでさらに下げていくとどうなるのでしょうか?

こちらの絵がその状態です。

 

 

箱の中には30匹のバッタさんと水になってしまったバッタさんが20匹。

バッタさんの絶対値は50匹と変わらないのですが、

結露水として箱の中に存在する状態です。

 

同じように25℃/30%rhの条件時の露点温度は飽和水蒸気圧表から・・・

約6.2℃DPとなり箱の温度が6.2℃と推測できます。

この時の飽和水蒸気圧という考えで見てみると・・・

25℃/100%rhの条件時の水蒸気圧は3167Pa

25℃/50%rhの条件時の水蒸気圧は
3167Pa × 0.5=1584Pa

25℃/30%rhの条件時の水蒸気圧は
3167Pa × 0.3=950Pa

となります。

 

ちなみにここからはマニアの方のみ読んでくださいませ。

この時の絶対湿度という考えで見てみると・・・

25℃/100%rhの条件時の絶対湿度は23g/m3

25℃/50%rhの条件時の絶対湿度は
23g/m3 × 0.5=11.5g/m3

25℃/30%rhの条件時の水蒸気圧は
23g/m3 × 0.3=6.9g/m3

となります。

 

絶対湿度は複雑な計算式から求められるのが一般概念ですが、

この絵から想像すると相対湿度との関係も意外と簡単に求められます。

ちなみにバッタさんの体重は0.23g(1匹)ですかね(笑

 

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こちらは温度と相対湿度から露点温度を求めた露点温度換算表です。

意外に手に入らない表なのでどうか使ってみてください。

 

縦軸が温度で横軸が相対湿度です。

最近の精度の良い湿度計には露点温度も表示する機能があるので、

使うのであればこのような製品がおすすめです。

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湿度を極める!その1の2・・・相対湿度とは水蒸気圧である!

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まず、一つの容器をイメージして下さい。

今、この容器の半分の位置まで水が入っているとします。

この状態を相対湿度で表現してみると・・・

この容器の容積を100とした場合、水の占める割合は50・・・

つまり半分となります。

従って、相対湿度は50%rhとなります。

 

 

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ここで、この容器に入れられている水を別の容器に移し替えていきます。

はじめの例に従って、各々[A]~[C]の状態を相対湿度で表現してみました。

 

[A]は容器の全体容積100に対し、水の容積は 50… 50%rh

[B]は容器の全体容積100に対し、水の容積は 75… 75%rh

[C]は容器の全体容積100に対し、水の容積は 100…100%rh

 

ここで言う容器、水とは何を表すものでしょうか。

湿度を表現する場合、前に述べたように水蒸気圧と考えます。

ある決められた容器の中の水蒸気圧がどれくらいあるのか、

その水蒸気圧がどの容器の大きさで飽和状態となるのか…ということです。

これが「湿度あれこれ」で述べられている説明文です。

 

相対湿度の計算式は次の通りですが、

U(相対湿度)=e/es × 100

e:水蒸気圧(Pa) es:飽和水蒸気圧(Pa)

単位が圧力なので・・・

水であらわす説明方法では直結しにくいのではないかと思います。

 

そこで新しい表現の絵を描いてみました。

ここでバッタさんが登場します。

 

 

水の分子をバッタさんに例えて説明しましょう。

一つの容器の中にこれ以上バッタさんが入らない状態を飽和と言います。

(砂糖が水にこれ以上溶けない状態を飽和という)

今回は100匹を飽和状態とすると・・・

この状態が湿度100%rhになるわけです。

 

水の分子は活発に飛び回っているので、

同様に圧力センサにバッタさんが衝突し圧力値として指示できます。

この圧力の値は容器内のバッタさんが何匹かで比例するのですね。

 

こちらは50匹の例。

計算式で表すと・・・

50%(相対湿度)=e/es × 100

e:バッタさん50匹の時の圧力指示値
es:飽和状態のバッタさん100匹の時の圧力指示値


こちらは20匹の例。

計算式で表すと・・・

20%(相対湿度)=e/es × 100

e:バッタさん20匹の時の圧力指示値
es:飽和状態のバッタさん100匹の時の圧力指示値

 

なんとなく水蒸気圧力と相対湿度の関係が分かって頂けたでしょうか?

絵で見ると20%はずいぶん少なく感じます。

ちなみに相対湿度は通常%で表します。

他の%と併記して書くときに%rhを使うのが一般的でした。

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湿度を極める!その1の1・・・湿度は奥が深いのだ!

【相対湿度 Relative Humidity】……U
天気予報などで湿度と呼ばれるものは、この相対湿度を意味する場合がほとんどです。
相対湿度とは、ある温度での気体中の水蒸気圧とその気体の飽和水蒸気圧との比を100分率で表します。(飽和水蒸気圧とは…後程出てきます。)単位は、 % を使用します。(他の単位と混合して使用する場合、%RHを使用するときもあります。)

【絶対湿度 Absolute Humidity】……dv
ある温度での気体の単位体積中(1m3)に含まれる水蒸気の質量(g)を表します。単位は、g/m3を使用します。
ただし、空調業界などでは、次の混合比を絶対湿度と呼ぶこともありますのでご注意ください。

【混合比 Humidity Mixing Ratio】……r
水蒸気以外の空気(乾き空気)1kgに対し、何kgの水蒸気が存在するかを表します。
温度、圧力、体積が変化しても水蒸気の量が変化しなければ、この混合比は変わりません。単位はkg/kgを使用します。
空調業界などでは、この混合比の事を絶対湿度とよび、頻繁に使用します。

【飽和水蒸気圧 Pressure of satulated water vapor】……es
気体中に含まれる水蒸気の量には限界があり、これ以上含まれない限界を飽和と呼びます。この時の水蒸気の圧力を飽和水蒸気圧と呼び、この値は、温度、圧力により変化します。
また、0℃以下においては、水と共存する場合、氷と共存する場合により値は異なりますので注意が必要です。

【露点/霜点 Dew Point/Frost point】……td
気体の温度が高ければ高いほど多くの水蒸気を含むことができます。水蒸気を含む気体を冷却していくと、水蒸気の量は変化しませんが、相対湿度(%RH)は上昇し、ある温度において100%RHとなります。
この状態を飽和状態と呼び、この気体においては、これ以上水蒸気を含む余裕がない温度であることを示します。
つまり、これ以上冷却をすすめると、水蒸気の一部が凝縮し、露(水)となり、外部に現われてくるからです。
この温度をその気体における露点温度と呼びます。
当然、水ですので、0℃以下では霜(氷)となって現われてきます。この霜の状態で現われる点を霜点と呼び、露点と区別しています。

 

よく湿度は難しい/奥が深いという言葉を耳にします。

それはどうしてでしょう?

基礎物理単位でよく使うのは℃/Pa/m/Kg等たくさんあるのですが、

どれも基本単独で使える単位であります。

湿度の代表的な種類が上図なのですが、

湿度は単位から見てもたくさんあるのですね。

 

相対湿度 Relative Humidity・・・%
(他の単位と混合して使用する場合、%rhを使用するときもあります。)

絶対湿度 Absolute Humidity・・・g/m3

飽和水蒸気圧 Pressure of satulated water vapor・・・Pa
おっと湿度なのに圧力の単位で表しています。

 

混合比 Humidity Mixing Ratio・・・kg/kg

露点/霜点 Dew Point/Frost point・・・℃

 

今度は質量と温度の単位で湿度を表すのですね。

 

この他にも業界単位で使う変わったものもあるのですが、

湿度の単位は「大気中における」という定義がベースになっています。

ところが最近では不活性ガス中でも水分単位を用いるので・・・

水分>湿度というように広域的な意味合いで水分計測という言葉を使う機会が多くなりました。

 

さて、この地球の大気を分子・原子で表してみましょう。

このキャラクターの漫画を書くために時間がかかりブログ更新が遅れたのですよ(笑

大気中の湿度の割合のイメージ図

大気の成分の大半は窒素ですね。 N→78%

お次は酸素です。 O→21%

その次がアルゴンさん。 Ar→1%弱

水分は0~4%という感じで変動します。

それを100匹に例えて昆虫で表してみました。

 

湿度を足すと100%(100匹)を越えてしまうので・・・

イメージとしては水の分子はその他の分子の隙間に溶け込むような感じで捉えると良いと思います。

これもまた湿度が難解だという「根っこ」になっています。

 

あれ?・・・温暖化が問題の二酸化炭素が抜けています。

実は二酸化炭素の割合は0.04%。

昔は0.02%程度でありました。

当然100匹の絵では描き込むことが出来ません。

10.000匹の絵を描けば4匹書き込むことが出来ます。

この小さな割合の変化が重要な環境問題になるのですから、

地球という惑星はとってもデリケートだと言えるのです。

 

大気中の湿度の割合のイメージ図

さて、もう一度この絵を見てください。

上に圧力計を付けています。

実は昆虫で分子を表したのには訳があります。

つまり気体中で分子は運動・移動をしているので、

圧力センサ部に昆虫が衝突しそれにより圧力として捉えているという事を言いたいのです。

昆虫は温度が高くなると活発になるのでイメージとしても合っていますね。

 

さらに・・・

絶対湿度・混合比は重さ単位なので分子にも重量があるのでこの絵でも表現できるのであります。

窒素/N→分子量28

酸素/O→分子量30

アルゴン/Ar→分子量40

水/HO→分子量18という重さです。

ちなみに単位体積である1立方㎝には何個の分子数があるのでしょう。

 

なんと2.7×1019個なので・・・

27.000.000.000.000.000.000個

日本語にすると27.000京(1016)となります。

そう・・・世界最高水準のスーパーコンピュータ「京」が1立方㎝の中にある感じです。

 

いろいろ湿度の物理単位から説明しましたが厄介なのはやはり相対湿度だと思います。

U(相対湿度)=e/es✕100

e:水蒸気圧(Pa) es:飽和水蒸気圧(Pa)

これは百分率なので分子と分母の単位(Pa)が相殺されて消えているのです。

「科学なのに単位を消すなよ~!」と思うのですが・・・

伝統的な物理単位なのでしょうがないのですね。

 

さて、次は相対湿度の基礎を説明しましょう!

 

昆虫ポスター作成は第一科学 田村製作

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山にトレッキングに行って崎陽軒のシュウマイが食べたい!

次はいよいよ湿度を極めるの章に突入です。

でも、基礎や原理から書こうとすると煮詰まっちゃうんですね。

それぐらい湿度は理解が難しい学問なのであります。

そこで・・・肩の力を抜く為に湿度ではなく蒸気の記事を間に入れます。

 

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休みの日に僕は日曜工作をします。

木工であったりこんな樹脂板の加工であったり色々。

これがストレス解放になるんですよ~!

 

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そんなこんなで試作器が出来たのがこちらです。

① 白い組み立てケース
② 木製の底板
③ ミニ三脚

山にトレッキング行くときに使いたいので非常に薄型コンパクトです。

 

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こちらを組み立てるとこんな形になります。

 

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そこで取り出したのは崎陽軒のシュウマイ。

ポケットシウマイは280円也

いよいよセットアップです。

 

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世界初、分離型アウトドア蒸籠(せいろ)の誕生です。

 

特長は・・・

① 蒸気を利用する。

② どのやかんでも高さが合うように三脚を使用。

③ 沸かしたお湯で食べた後にお茶も出来る。

 

実は昔から新幹線でシウマイを食べるのが好きなのですが、

熱いシウマイを食べたことがありません。

崎陽軒のシウマイをバックパックに入れ、

野外でビールを飲みながら熱々を食べる・・・・

そんな夢を叶えるために作りました。

 

しかも、大きさは6個入り専用です(笑

 

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待つこと7分。

底板には見事に結露現象が見られますね。

 

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アツアツ おいしい~!!

 

この技術の基にはこんな温度・湿度の試験装置があるんですね。

(株)第一科学では氷点下での恒温恒湿試験が出来る装置を開発しました。

 

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社会科見聞録3・・・台湾のアウトドアを垣間見る!

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このブログの数人の読者さんに意見を頂きました。

「科学的見地の記事は面白いのですがアウトドアの記事は少ないですね~」

そうなんです。

今年は休日出勤するほど忙しいので・・・

キャンプに行けないんですよ。 (泣

 

そこで代休を消化するべく台湾などに旅行に行ったので、

台湾のアウトドア事情をちょっと書きたいと思います。

実は台湾ではここ近年アウトドアブームだそうです。

このテントの写真は華中河濱公園内の華中橋そばに2009年にオープンした

800人が収容可能な12ヘクタールのキャンプエリアを持つ台湾で最大の河岸キャンプ場。

HPはこちらです。

これは東京ドーム3個分の広さなのですからちょっと驚きますね。

いつか行って海外初キャンプをしてみたいです。

 

台北市内をちょこちょこ歩いてみたのですが、

アウトドアショップは少なく品揃えも少なかったです。、

プライベートブランドのアウトドアメーカーが、

数多く生まれている日本に比べるとこれからだという気がしましたね。

 

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代表的な観光スポットの紅毛城を見学しに河口近くの「淡水」に行ったのですが、

その時にやっていたカヌーイベントを見ることが出来ました。

こちらはファルト系のシーカヤック。

オリジナルペイントがされているのでメーカーは不明ですが年季が入っております。

 

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カヌーの体験イベントもやっていました。

シットオンタイプのシーカヤックであります。

僕はバナナボートと呼んでいます。

 

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沖には何艇ものカヌーが出ていました。

ちょっと怖いのですが定員オーバーの感はあります。

さて、カヌー文化の成熟度を見るときに僕はパドルで判断しています。

前の写真のダブルパドルを見ていただくと分かるのですが、

両サイドのパドルが揃っていますよね。

これはこの方が初めての方は漕ぎやすいという配慮からです。

ところが実際は両方のパドルは90度交差する形が本物なんですね。

日本では四万十川などではこちらでした。

 

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後ろの赤いのが私ですが・・・

このようにパドルは90度ひねってあります。

漕ぐときに左手の手の中でオールを滑らせて回転し漕ぐのが基本です。

 

これはなぜ必要かというと・・・

水に入っているパドルと反対のパドルが進行方向に対し縦になることで、

風の抵抗を無くしているんですよ。

これにより長距離での体力温存をしているわけです。

 

もともとカヌーの元祖はアラスカ西岸から北海道まで渡った記録のあるバイダルカ。

アウトドア科学に通じる知恵があったんですね。

 

台湾のアウトドアを垣間見る旅でありました。

 

 

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***おまけ***

紅毛城のお土産屋さんで売っていたアウトドア向きの椅子。

良い感じなので買おうかなと思ったのですが、

ひっくり返してコップを運ぶメリットが見出せませんでした。

椅子の下から取り出すにしても腰が心配です。

アウトドア科学・・・衣服内気候・靴の中の計測

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今回はちょっと絞って衣服内気候でも靴の中の計測について書きたいと思います。

 

これは温湿度変換器と呼ばれる物なんですね。

文字通り温湿度を電気信号に変換する製品で・・・

温度0~100℃、湿度0~100%rhをそれぞれ、

電圧0~1V又は0~100mVで直線的に出力します。

つまりテスターで計るとそのまま電圧が湿度として読み取れるものです。

これをデータロガに接続すると衣服内や靴の中の状態が分かるのですよ!

 

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特にこのセンサは靴内用として専用に開発された温湿度センサです。

(他に高級カツラでも使いましたが・・・)

靴の中では体重がかかっても壊れない構造。

さらに空隙は出来るだけ小さい方が良いので2.8mmという厚さです。

 

そうそう、もう一つ重要なのがケーブルの太さ・・・

それが太いと靴を履いた運動の時にポンピング現象が起こり、

丸いケーブルの隙間から湿度分が排出されてしまいます。

それでフラットケーブルにしているんですよ。

 

この湿度センサは高分子抵抗型という原理のセンサなので電気的ノイズに強いのです。

だからフラットケーブルが使えるのです。

今主流の高分子容量センサのタイプはその特性から電気的ノイズに弱いため・・・

ケーブルがシールド線となり太いので向かないんですね。

餅は餅屋というマニアな世界であります。

 

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衣服内気候には汗という難敵がいます。

汗は水分ですが湿度は空気の中の水の分子です。

激しい運動や雨・水たまりなどによって水分がセンサに付いてしまうと、

乾くまで計測が不能になってしまいます。

それを防ぐ魔法のシートがこちらです。

 

透湿シートと呼ぶこれは水より強いさな穴が空いたものです。

つまり水は通さないけれど湿度は通すものなんですね。

これを加工して湿度センサに貼り付けて使用します。

 

ただし・・・

発汗のスピードや立ち上がりを計る方には使えません。

応答時間を遅くしてしまうためです。

 

ん~・・・一番向いているのはおむつの快適性試験ですかね。

世界でも人気の紙おむつは・・・

このセンサがあって開発できたと言ってもオーバーではありません。

 

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このように温湿度センサは土踏まずにセット。

ケーブルは内側から靴の外に出して使います。

こうすれば違和感なく被験者も快適に運動できるのです。

 

そうそう、靴の場合利き足の方が湿度が高く出る傾向があるんですね。

普段よく使う脚の方が血流が良く発汗しやすいからだと言われています。

 

衣服内気候はまだまだ奥が深いのですが・・・

それはまたいつか書きたいと思います。

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アウトドア科学・・・衣服内気候の基礎

最近、有名アウトドア雑誌で読んだ記事に気になる内容がありました。

ゴアテックス社製の最新の靴の記事です。

その中で湿度計を使った靴ムレの評価をしているのですが、

あまりにも不正確だったので少し解説をしようと思います。

ゴアさん・・・かわいそうです。

 

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まずは衣服内気候という言葉から入りましょう。

人間が衣服を着用すると人体と衣服との間に空気層ができます。

この空気層内では外部環境とは異なった温度、湿度、気流の分布を持つ

局所的な温熱環境が形成されます。

これを衣服内気候と言うのですが人体と外界との間の熱、

水分の移動に深く関与しているのです。

 

衣服内気候という研究は1990年代にブームになりました。

これはゴアテックスを代表とした「水は通さないが湿気は通す」という布が生まれたためです。

最近ではユニクロ(UNIQLO)のヒット商品「ヒートテック」が生まれ、

第2の衣服内気候ブームを迎えています。

実はアウトドア科学研究所の所長の私・・・

このジャンルもマニアなので結構忙しいのであります。

 

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衣服内気候は裾野が広くいろいろなジャンルで研究が進んでいます。

  • 通常の衣服・レインウェア・防塵服など
  • ビジネスシューズ・スポーツシューズ・スキー靴など
  • ヘルメット・自衛隊のヘルメット
  • 紙おむつ
  • 寝具・ベット・寝袋
  • 自動車のシート・車いす
  • ベビーカー・抱っこ紐
  • かつら

こんなにあるんですね。

思えば温度湿度計測を通じていろんな仕事をさせていただいたものです。

 

さて、衣服内気候においてその評価方法としては温湿度センサーを用いて、

直接、衣服内の環境を計る手法が一般的です。

ところがこの計測において注意する点がたくさんあるんですね。

 

注意する点をまとめてみましょう。

➀個人差・職業による差があります。

したがって複数人の被験者が必要になるのです。

職業というのはスポーツ選手・ダンサーなどは発汗を押さえる技術を持っているので不向きです。

昔、NHKの取材でダンサーの方を使って計測したのですが、

2回目以降まったく湿度が上がらなかった覚えがあります。

 

➁➀により連続の実験はタブー。

日をまたいでの実験が望ましいとされています。

 

③温度・湿度より絶対湿度(g/kg)などを計算するので、

湿度計には確かな物が必要になります。

私の1番お薦め温湿度センサがこちら

④衣服内気候には静的と動的があります。

寝具などを評価する場合の安静状態で計測する場合を静的。

運動をし意図的に発汗させた状態を動的と呼びます。

後者は衣服内に汗という水分が入るので計測にもさらにノウハウが必要になるのです。

 

⑤ポンピング現象に注意。

衣服内にはポンピング現象という言葉があります。

これは衣服を着て運動をすることにより気流が発生して、

衣服内にて換気が行われると言うことです。

 

洋服をデザインする上でこの効果が上がる設計をすると、

発汗による湿度が抜けやすくなり快適性が上がるというものです。

冒頭の雑誌では湿度センサが大きく隙間が出来る為、

実際の靴を履いた状態と違い湿度が下がったと予想しています。

奥が深いですね・・・!

 

それでは計測に関しては次の記事で書くことにして、

ちょっと質問です。

 

洋服の発明の中でこの衣服内気候上・・・一番困るファッションがあります。

 

それはなんでしょう?

 

 

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そう、ネクタイなんですね。

ネクタイは衣服内換気を一番防いでしまうのですよ。

最近ではネクタイをすると健康上にも問題があるなどと発表されています。

 

これから暑い夏、クールビズは必須ですね!

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社会科見聞録2・・・魚津埋没林博物館

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今回は富山県魚津市の魚津埋没林博物館さんを紹介します。

こちら富山から小一時間・・・

「魚津埋没林」と運が良ければ見られる「蜃気楼」の博物館なんですね。

 

今回は記事を書くにあたり魚津埋没林博物館さんから快く了解を得る事が出来ましたので、

蜃気楼の温度におけるメカニズムなども紹介いたします。

 

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埋没林とは文字どおり「埋もれた林」のことだそうです。

約2,000年前、片貝川の氾濫によって流れ出た土砂がスギの原生林を埋め、

その後・・・海面が上昇して現在の海面より下になったと考えられています。

 

実際に見てみると・・・ただただ美しいです。

 

水面下からも見られる工夫がしているので、

癒やされたい方はぜひ行ってみてくださいね。

 

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「蜃気楼」はお隣にある海の駅「蜃気楼」さんから見るのもおすすめ。

広い駐車場から富山方面を望みましたが、

この日は風が強く見ることは出来ませんでした。  (T_T)

 

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冬の蜃気楼は、11月~3月頃の寒い時期、

春の蜃気楼が出やすい時期は(3月下旬~)4月~5月(~6月上旬)なので今がチャンスです。

休みの日にはボランティアの方が説明に出ているので、

いろいろと教えてくれます。

 

そもそも蜃気楼が見られるメカニズムとは何なんでしょう?

魚津埋没林博物館さんのHPにわかりやすい解説が書いてありますので引用しますね。

 

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蜃気楼は、大気中の温度差(=密度差)によって光が屈折を起こし、

遠方の風景などが伸びたり反転した虚像が現れる現象です。

蜃気楼には大別して上位蜃気楼と下位蜃気楼とがあります。

 

上位蜃気楼も下位蜃気楼も、大気中で光が屈折して発生します。

物体はあらゆる方向に光を反射していますが、

そのうち私たちの目に見えるのは一部だけです。

大気中に温度差がないとき光は直進するので、

物体と目を直線で結ぶ方向の光だけが目に見えます。

ところが、冷たい空気と暖かい空気が重なり合い、

その境界の狭い範囲で空気の温度が連続的に変化するような場合、

そこで光の屈折が起きます。

 

このような層の中では、光は温度の低い(=密度の高い)方へ屈折しカーブを描きます。

そのため、上が暖かく下が冷たい空気層では、

上へ向かう光線の一部が屈折して下へ戻り、

観察者の目に届きます(凸形にカーブした光線、下図上のa-b-gやa-d-f)。

逆に、下が暖かく上が冷たい空気層では、

下へ向かった光線の一部が屈折によって上へ戻ってきます。

(凹形にカーブした光線、下図下のa-b-gやa-d-f)

 

人は、途中でどんなに光が曲がっていても、

目に入ってくる直前の光の方向に物体があるようにしか見えません。(上図のa-b-cやa-d-e)。

したがって、凸形のカーブで届いた光では実際の風景の上側に虚像が見え、

凹形のカーブで届いた光では下側に虚像が見えることになります。

どちらの場合も・・・

冷たい空気の部分を直線的に届く光(上図のa-fやa-g)によって実景そのものも見えます。

 

温度の低い(=密度の高い)方へ屈折という文章表現が、

大気の温度における分子運動に通じる物がありワクワクしますね。

遠い景色を見ながらその間に分子や原子を動きを想像するスケール感。

こういうのが大好きです。

 

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蜃気楼の伸びという現象がこちら。

実景が実際より高く上へ伸びて見えます。

全体が一様に高く伸びて板塀状に見える場合や、

所々が欠けてバーコード状に見える場合等さまざまな変化があります。

ほんと見てみたかったです。

 

ちなみに撮影ですが普通のデジカメでは撮れません。

焦点距離500mm相当(35mm判換算)以上の超望遠レンズが必要だそうです。

双眼鏡で言えば10倍程度ですかね・・・

 

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おまけですが・・・

海の駅「蜃気楼」さんの白エビコロッケ(250円)

ちょっと高いけど超美味しかったです!

温度を極める!その4の3・・・熱流は「ああ~♪川の流れのように~」

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熱流を体感できるのは熱流センサだけではありません。

温度勾配を見ることでおおよその熱流を知ることが出来るのです。

しかし、それにはグラフが必要。

スケーリング変更が出来る温度のトレンドグラフは必須になります。

 

今回は熱流を川の流れにたとえて説明をしますね。

題して・・・「ああ~♪川の流れのように~」であります。

熱流は川で言うと急流から清流までをイメージしています。

高低差が一番重要で熱流密度Q(W/m2)の式・・・

Q=(λ/d)・⊿Tからすると⊿Tが該当します。

 

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温度変化を35℃から15℃安定まで変化させたグラフがこちらです。

最初の15分程度で熱流が一番大きく流れます。

 

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次のグラフが熱流の中の状態。

温度差が小さくなると熱流量も小さくなることが分かりますね。

45分あたりで3~3.5℃の変化量です。

 

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さらに熱流が小さくなると・・・

1時間あたりで0.3℃の変化量です。

まさに川の流れのようであります。

 

さて、ここの重要点はひとつです。

 

仮にもっと早く温度を達成させようとして、

冷凍機やヒーターの能力を大きくしても変化量の大きいのは最初の熱流大の時間が短くなる傾向。

温度変化量が小さい場合はあまり改善されません。

しかも温度変化が一番小さい部分は時間も長いのです。

 

このグラフでは0.1℃以内の安定状態まで2時間かかっているので、

冷凍機やヒーターの能力を大きくしても10分程度短くしかならないことが予想されます。

 

熱流密度の式から言うと熱伝導の改善と熱流の面積を増やすのが重要なのです。

温度の道も険しいので・・・

温度標準の0.01℃安定までの時間はさらに長くなります。

 

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熱電対などで計ると表示は小数点以下1つ程度。

1時間あたりで0.3℃の変化量などは判断できません。

そこでこのような白金測温抵抗体の温度計が必要になるのです。

***高精度デジタル温度計仕様例***

センサ:3線式及び4線式温度センサ(Pt100)に対応

精度: ±0.01℃(4線式)、±0.05℃(3線式)

分解能: 0.001℃  測定範囲: -200℃~+850℃

 

ちなみに0.02℃安定の世界では4時間~6時間必要だったというグラフがこちら!

気象庁の温度校正器を作ったときのデータであります。

 

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そうそう、分解能の高い温度計のメリットとしてはもうひとつありました。

小数点以下2~3桁に着眼すると・・・

温度試験などの結果が早く予想が付きます。

目に見える変化量は貴重と言うことですね!

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