湿度を極める・・・高磁場環境・高電圧環境下での温湿度計測とは

ちょっと特殊な環境下で温湿度測定をしたい方もいらっしゃると思います。

具体的には・・・・
高周波や高電圧環境下での計測、高磁場環境、
食品調理(電子レンジ等)、送電線近郊、大型変圧器近辺・・・
さらに放射線では、
アルファ線、ベータ線、中性子線、ガンマ線、エックス線などなど。

この環境下での温湿度計測は難しいのです。

それは何故かというと・・・
温度センサ・湿度センサが金属・高分子素材を利用しているからなのですね。


信号線が火花を飛ばしたり・・・
温度センサ・湿度センサが短期で劣化したりとそのまま使用する事が出来ません。
(写真は線香花火ですが・・・笑)

でも、温度計でこんな製品が出来た事で計測の道が開けています。


それがこの蛍光式光ファイバー温度計であります。

原理は光ファイバーの先端に感温部(蛍光物質)を取り付ける事で、
この蛍光物質の温度的な光の減衰を光ファイバーを通して捉えます。

それを複数の温度域で検量線を求め温度換算するのですね。


スペックもキャリブレーションをすれば±0.5℃と充分使える精度です。
私的には物理的に測れない領域で測ることが出来ることの方が重要だと思ってしまいます。

そして、湿度ですがそちらもちょっと工夫がいります。
湿度のとても面白い特性として湿度換算ができる事です。

一般的な相対湿度計はその場で温度と共に湿度を計測する必要があります。
(相対湿度は温度1℃変化すると相対湿度は約3%変化する)

でも、絶対湿度や露点温度で計測すると温度による影響が消えるので、
その空間の空気をサンプリングすることが出来ます。
このサンプリングによる湿度計測は高精度の湿度標準で湿度の値付けをする時も行っています。


その具体例からちょっと解説しましょう!

医療で使われるMRI装置は被験者に高周波の磁場を与えます。
この環境で普通の温湿度計は使えません。

そこで前述の蛍光式光ファイバー温度センサで温度を測り・・・
テフロンチューブを使って温度センサ近くの空気をサンプリングするのです。

計測室ではサンプリングの配管途中に露点センサを挿入した治具を付け、
その露点計からの露点温度と蛍光式光ファイバー温度計の温度から、
相対湿度を演算して求めます。

これによりMRI装置近辺の温湿度を演算できるのですね。

図では鏡面冷却式露点計を使用していますが、
精度の良い温湿度計でも実現可能になります。

この方式はいろいろな所で応用することが出来ます。
・湿度センサを入れることのできない高温(150℃以上)の環境。
・粉塵などのとても多い条件の悪い環境。

ぜひ、こんな環境で測りたいような希望がありましたらお問い合わせください。

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