新型コロナウィルスと湿度について

新型コロナウィルスに関しては、まだまだ分からないことが多く、

今までの通説を含めコメントするのはとても難しいのです。

ただ、温度湿度に関しては個人意見ではありますが、

ここでちょっとまとめてみたいと思った次第です。

この表は今まで広く引用されてきた室内環境(温度・湿度)による

インフルエンザウィルスの生存率を示したグラフです。

温度が高く湿度も高い環境ではより短時間でウィルスが生存しなくなるのです。

特に日本では冬場に感染が集中がすることから信じられてきたのですね。

ただ、新型コロナウィルスに関しては不明な点も多くあることから、

楽観的に夏には感染が治まるという事が疑問視されています。

 

ところが最近、アメリカ国立衛生研究所などの研究グループは、

新型コロナウイルスについて「エアロゾルという状態にした場合、

3時間が過ぎてもウイルスは生存していました。」と報告。

比較的このグラフのイメージに近い印象を受けたのです。

今後、温度湿度条件における生存の研究もされるそうなので、

湿度の仕事をしている私としてはとても興味があるところです。

会社では現在、無菌状態で湿度を発生できる調湿装置の開発を進めており、

この装置が同様の試験のお手伝いが出来ればと思った次第です。

 

室内で湿度を適度に保ちたい場合には加湿器が有効であります。

そこで室内の加湿方法として代表的な原理を図にしてみました。

少し前から気になっているニュース記事に次のような文があります。

「空気中の水分が高いと、その水の粒に、塵や埃と共にウィルスもくっついて床に落ちます。」

もしくは「加湿器を使うとその水の粒に、塵や埃と共にウィルスもくっついて床に落ちます。」

これに関しては私は疑問を持っていて本当かどうかちょっと意見したいと思います。

 

➀加熱式加湿器・・・ヒーターで水を100℃の蒸気にして噴霧する方式(沸騰)

高温の蒸気は数十センチで拡散し気化します。
ほとんどの場合、上部方向に噴霧され分子レベルまで拡散されるので、
床に落ちることはありません。

ここで空気中の水の分子の動きを解説すると、

分子の運動はとんでもなく早いと言うことです。

知り合いのトライポロジーの先生が計算したところによると・・・

気体中において金属面の金属の原子に衝突する水の分子の衝突回数は、

1秒間に2万回という計算が得られたそうです。(超高速!)

この事からも落下効果は期待できないと思ってしまいます。

(ただし、吹出し口の温度は100℃近くと高いのでウィルスを減らす効果は期待できそうです)

 

②気化式加湿器・・・水を吸い上げたフィルターに風を当てることで蒸発させる方式

厳密には水が蒸発によって気化するときに蒸発潜熱により温度が下がります。

これが加湿器より送風されると温度が低いので、加湿した空気は重く下の方に行きます。

暖かい空気が上に行き、冷たい空気が下に行く事と同じですね。

ただ、下がる温度はせいぜい数℃レベルなのですぐ室温になじんでしまいます。

蒸気の水の分子がとんでもなく早いと言うことから考えると、

床に落ちる可能性はとても低いと思います。

 

③超音波加湿器・・・超音波振動子により常温の水を霧化させ、送風機で拡散させる方式

物理的に霧化させるので、出てきたものはミストです。

これはまだ水の状態なので重く床に落ちることがあります。

この加湿器を床に置くと周りが濡れるのを経験したことがありませんか?

そう、私としてはこの超音波加湿器のみが床に落ちる可能性があるという見解ですね。

 

どちらにしろ、室内の湿度は高く保つのをお薦めするのですが、

ウィルスの感染力を弱めるためだけでなく・・・

身体の防御機能を高めるために有効だと言うことも重要です。

身体の防御機能のひとつである鼻腔粘液線毛輸送機能を維持するため、

湿度は重要なのですね。

呼吸によって体内には極小の異物や細菌が入ります。

それら異物を外部へ追い払い気管支をきれいに保つ働きをしているのが、

粘液上皮細胞の線毛だそうです。

線毛運動は湿度が高く、体の水分が高い方が活発に機能します。

なんでもスポーツドリンクなどのイオン飲料を飲むと、

低い湿度環境で鼻腔の線毛運動の低下を抑制するらしいです。

 

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