空き缶で風を計るシリーズ1 自宅で風洞を設計するの巻
アウトドア歴45年の 第一科学 温湿度マイスター 武田 です。
GWや夏休みには1週間ほどキャンプをしているベテランですが、
ある時、ふと思いついたのがこのネタです。
タープやテントなどが吹き飛ばされるキャンプサイト。
それを横目で見ながら考えたのがこちら。
風速何mでキャンパーは避難するべきか?
どのようにそれを知ることが出来るのか?であります。
そこで身近なもので風速を計かれないか考えてみました。
自然の風は基本的に色々な方向から都度変わりながら吹いています。
したがって無指向性のあるものでなければなりません。
風力発電で筒状の回転翼を発明した方がいますが、まさにビールの空き缶が同型状。
空き缶で風を計ることに思い至りました。
ビールの空き缶はいったい風速何m/sで倒れるのか・・・?
そこでまず必要な風洞を作ることにしました。
簡単に風洞を作ると言っても資料がなかなかありません。
唯一入手できたのがこちらの資料です(貴重)
缶の大きさと筒表面の乱流を考えると直径40cm程度。
風速センサの位置に缶を置くとして・・・計算します。
(ちなみに下流に比べ上流が長いのはしっかり整流を作るためなんですね。)
Dが直径なので0.3m。
全長=8×0.4+3×0.4=4.4m
いくら何でもこれは自宅のリビングには置けません。
そこで必殺技が整流格子です。
整流格子を用いないと風洞はひたすら長くなり、
(財)建材試験センターで見たものは10mもありました。
丸い風洞の中にマス目の格子を入れます。
この格子の目の数と長さを決めるのが図の式になるのです。
δはデルタという長さを表す文字です。
整流格子の効果は数割程度で良いので・・・1/4にします。
δ=1/4×0.3(直径)=7.5cm これが格子の一辺の長さです。
L(格子の奥行き方向の長さ)≧3×7.5cm
Lを23cmで設計しました。
この整流格子により風洞の長さを3mに縮める事が出来ると考えました。
とりあえず設計はここまで。
いよいよ次の記事から製作に入りますよ!