温度を極める!その3の3・・・放射温度計を赤外波長域から見てみよう。

前の記事で「放射温度計もしくは赤外線放射温度計として、

すでに数多く市場で使われている温度計です。」と書きました。

この赤外線というのが大事なんですね!

科学の世界では波長域という概念を理解することで、

様々な計測・分析のアイデアや応用につながる事が期待できます。

今回はその第一歩として赤外線という波長域に触れてみましょう。

 

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放射温度計が受光している波長域は赤外線でも遠赤外というところ。

ここは大気による吸収という影響をほとんど受けない為に、

遠くの温度まで測る事が出来ます。

この8~14μmの波長領域は「大気の窓」と呼ばれ、

赤外線エネルギー量を測定する放射温度計にとって重要な意味を持ちます。

 

ちょっと脱線しますがこの難しい波長域という考えは色々なところで役に立ちます。

それはほとんどすべての物質において特定の波長で吸収や透過をする性質があるからです。

たとえば・・・それを利用してガス中の分からない物質を特定するとか・・・

レントゲン写真なんかもX線の吸収や透過で成り立っているんですね。

この切り口はとても奥が広く面白いのですよ。

 

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ひとつの例として石英ガラスの吸収や透過の曲線を加えてみました。

石英ガラスは4μm以下で透過していますね。

これを放射温度計で具体的に表現すると・・・

「窓越しに遠くの景色は見えていますが、放射温度計が示している温度は

窓ガラスの温度になります。」です!

可視光は透過しても遠赤外光は通さないのですよ。

 

この現象を身近なところでも起こり利用されています。

 

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太陽の光が差し込む明るいハウスがそうですね。

可視光を含む範囲の広い波長の太陽光で暖められた地面からは遠赤外が放射されますが、

ガラスにより遮断されているためにハウスの中の温度は高くなります。

 

夏の車の中も同じですね・・・

ダッシュボードやシートが暖まり遠赤外を放射しますが、

ガラスで遮られるために内部は異常に高くなるのです。

もし透過するガラス系の物を使えば中はそれほど暑くなりません。(コストが合わないけど・・・)

 

そうそう、そのガラスも全波長域で見てみるとマイクロ波の波長域でまた透過が始まります。

つまり、通す通さないは全波長域では様々なんですね。

 

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例として電子レンジでガラスが使われているタイプがありますが、

温めるために使う波長のマイクロ波はガラスを透過します。

それはとても危険なのである対策がしてあるのですよ。

 

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皆さんご存じのこの小さな穴の空いた金属の網です。

マイクロ波はその波長より小さな穴を通り抜けられないという特性をもっています。

もし、これが無いと・・・

台所にあるレタスやリンゴ、花瓶の水などが温められてしまうことになります。

 

参考:一般的に電子レンジの周波数が2.45GHz帯とすると波長は約12.2cmです。

 

ちょっと難しかったかもしれません。

すこし脱線してしまいましたが次回は放射率と透過レンズに関して書く予定です。

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