湿度を極める!その1の4・・・相対湿度と絶対湿度はどちらを採用するべきか?

相対湿度と絶対湿度。

このどちらかの単位を仕事に使うことで結果は変わります。

ほとんどの方が相対湿度が気になるとは思うのですが、

産業や工業では絶対湿度の方が重要なのです。

ここで1度・・・湿度の歴史を見てみましょう。

そこに何かヒントがあるかもしれません。

 

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湿度の歴史は古く・・・

紀元前に古代中国で発明されています。

「羽毛と炭を天びんにかけ燥湿の気を知る」となっていますが、

これは「水を弾く羽毛と多孔質構造の炭を天びんにかけ乾燥と湿気の大気を調べる」になりますかね。

 

80年後には土と灰に代わり・・・

1500年後にはイタリアでは海綿に姿を変えています。

 

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この方式にはレオナルドダビンチも発明しています。

こちらの絵はアトランティコ手稿より引用しました。

 

ここまではほぼ相対湿度と呼べる湿度計の原点ですが、

1751年ル・ロイにより露点計の原点が発明されています。

絶対湿度はこの時誕生したものと考えても良いかもしれません。

 

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1772年にドイツのランベルトが物質の伸縮式で湿度計を発明しました。

これが現在でも使われている毛髪式自記温湿度計の原点になります。

 

1815年にゲイ・ルサックにより乾湿球による湿度計が発明されています。

これもアスマン通風乾湿計の原点ですね。

 

日本も負けていません。

1871年に清水金左右衛門が物質のねじれを利用した湿度計を発明しています。

これは現在ではバイメタル式湿度計として一番普及しているものです。

不思議なもので・・・ル・ロイの発明した露点計以外がすべて相対湿度計なのですね。

 

私見ですがこの理由として人間が感じる湿度が相対湿度だからだと思います。

人間は発汗するために蒸発潜熱による皮膚表面の温度低下を感じることが出来ます。

これは体の仕組みとして乾湿球による湿度計を持っているとも言えますね。

この為に広く相対湿度が普及したのではないのでしょうか?

 

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相対湿度と絶対湿度はどちらを採用するべきか?

絶対湿度という単位がよく使われるようになったのはつい最近のことです。

絶対湿度は・・・

・単一の物理単位なので国際的なものさしとして使用が出来る。
・比較的高精度・高価な計測器になる。
・絶対値なので生産管理などに効果的。

この他に・・・

・エネルギーなどの熱効率では使用される。
・空気以外のガスなどの水分量も絶対湿度。
・炉のなどで使われる各種化学反応にも応用される。

 

つまり、相対湿度はまさに歴史を感じる単位であり、

絶対湿度は今風のお洒落な現代の単位なんですね(笑

では、どのようにつきあえば良いかは次の記事で紹介いたしましょう。

 

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