その体温計は正確ですか?/ご家庭で確認をする方法

新型コロナウィルス感染により体温計の役割が変わった気がします。

平熱・微熱・高熱などの言葉から・・・

37.5℃という数値に境目が出来た感じですね。

元々、体温計はサーミスタ温度センサを用い35℃~40℃の範囲で精度を求めた温度計。

各社の取説を見ても±0.1℃の精度を書いてありますが、

長年使った体温計にそんな精度が出るのでしょうか?

そこで家庭内で簡単にチェックする方法を考えてみました。

温度計の簡易チェックは氷と熱湯を使い0℃と100℃の確認は出来ますが、

体温計はそう簡単ではありません。

今回は最近流行の低温調理器を使って簡易チェックをしたいと思います。

これはRazorri社のものです。

ステンレス筒の中はこのようになっています。

攪拌用フィンとヒーター、温度センサ、空だき防止の温度検知センサと・・・

ほぼ、研究開発で使うような恒温水槽と同じ仕様になっています。

民生品は1万円もしないので驚きますね。

温度設定は0.5℃きざみ・・・

今回は一番知りたい37.5℃の設定にしてみました。

下は運転時間表示です。

今回は下の水槽は真空断熱鍋の断熱ケースを使用。

(寸胴鍋をバスタオルで保温しても可です)

37.5℃に達してから最低30分は温度がなじむまで置いておきます。

デジタルの値は誰もが信じやすいので危険です。

今回、面白い試みとしてカメラのタイムラプス機能を使って15分間の安定度を見てみました。

温度計はキッチン用ですが同じサーミスタ温度センサを使っているので、

0.1℃程度の検知は十分出来ます。

見ていただくと分かるのですがこの低温調理器凄い安定性。

10秒インターバルで15分の間にまったくドリフトしませんでした。

低温調理器もこの手法も仕事で充分使えそうですね。

これが全体写真です。

温度計、体温計を固定する木製の治具を作ったのですが、

これは台所にある菜箸や段ボールで代用可能です。

体温計はまず取説を準備します。

体温計には10分計、1~3分計、数十秒計などがあります。

勘違いも多いのですが10分計は温度上昇時に一度ブザーが鳴ります。

これは計測途中の合図でここでやめてしまうとかなり低く指示してしまいます。

体温計はどうしても使用頻度が低いので、使い方を忘れてしまう事があるのですね。

体温計はこのくらいまで水に入れます。(先端の防水・防浸は取説で確認)

今回は4本の体温計を用意してそれぞれ計測。

比較校正の方法のひとつで、それぞれを3~5回計測し平均値を求めます。

基準になる校正された温度計がないので、大きく外れたものは故障と見なす方法です。

キッチン温度計は温度の変動確認用のモニターにしました。

ちなみに体温計は写真のように輪ゴムで留めるのが使いやすかったです。

体温計は連続測定ができません。

そこで扇風機で10分程度かけて室温に戻しました。

今回は4本の体温計の簡易チェックを行いました。

体温計を1本しかお持ちでない方は・・・

ご近所、ご親戚、ご友人にぜひ声をかけて本数をそろえる方がチェックの精度が上がります。

一番チェックが難しかったのがこの15秒計でした。

この体温計は温度上昇の早さや傾きを見ることで予想した体温を表示します。

使う方にはとても便利な機能ですが・・・

スイッチを入れてからすぐ、5秒後、8秒後投入などいろいろ試してみました。

結果は8秒後に温水に投入するのが安定度は良かったです。

このMC-680の取説に・・・精度±0.1℃(標準室温23℃で恒温水槽で

実測測定した場合)と書いてあるので、方法は間違ってない気がします。

計測した結果がこちら。

平均を見ると10分計の再現性は抜群。

10年も使っているものもあるのですが日本製は優秀でありました。

15秒計は0.3℃ほど高めに指示していました。

これは実際に体温を測ったときにも同じ傾向が出ていると思います。

でも・・・体温37℃以上を上司に報告などとする会社ルールがあった場合、

この体温計だと36.8℃→37.1℃となってしまうのです。

どちらにしろ我が家の体温計の傾向が掴めたので、

安心して使うことが出来るのでした。

 

皆様の中にも体温計に不安感を持っている方もいると思います。

ぜひ、チェックしてみてください。

低温調理器のない方は熱マスが大きく温度が近い湯船などでも出来ると思います。

ただし、定期的にかき混ぜてくださいね!

 

注意:この記事は製品の優位性・精度や性能を保証するものではありません。

あくまでも簡易チェックによる傾向をつかむ方法として提案するものです。