湿度を極める!・・・湿度校正器「Humi Pump」を新発売!
非常に面白い事なのですが・・・
温度・湿度・圧力のセンサを校正する為の「校正器」で、
一番高額なのは湿度なのですね。
もともと飽和塩法と呼ばれる簡易湿度校正器もあったのですが、
いつの間にかOIML(国際法定計量機関)の勧告で削除扱いになりました。
この為に現在一番安価な湿度校正器でも100万円もする状態になったのであります。
そこで昨年1年をかけ開発したのがポータブル湿度校正器「Humi Pump」なのです。
開発当初で気象庁さんと産総研さんにヒアリングし・・・
「電気を使えない地域でも校正が出来る湿度校正器が欲しい!」との要望を聞きました。
そこで思いついたのがコロンブス的発想のシリンダを使った体積法。
なんと手動で任意の湿度が発生できるのですよ。
ちなみに発明者は第一科学 温湿度マイスターの私/武田であります。
<(`^´)>エッヘン。
100%rhの湿度を作る為の飽和槽、0%rhの湿度を作る為の除湿フィルタ。
ある定量を送る為のウェットシリンダ、ある定量を送る為のドライシリンダ。
このウェットシリンダとドライシリンダの押し出し量の比率で湿度が決まります。
角度が付いたハンドル押し下げることで押し出し量が調整できるのです。
ウェットシリンダとドライシリンダの押し出し量の比率を変えるのは、
シリンダの位置を変えることで実現します。
送り出す調湿空気を貯めるのが測定チャンバ(Humi Pack)。
これはアルミ蒸着シートで出来ているのですが、
この中に基準の湿度センサと比較したい湿度センサを挿入するのですね。
この袋式チャンバの採用で校正時間も5分程度で可能になりました。
それをちょっと紹介しますね。
こちらが飽和槽です。
空気を水の中を通すことによって加湿するバブリング方式。
透明な容器なのでなかなか泡が綺麗です。
この容器の高さを決めるのに・・・
3つほど作り直しましたね。
使えば使うほど端からピンクに変色してきます。
赤い線まで来たら中身を取り出し、
ホットプレートなどで水分を飛ばせば再利用可能です。
この湿度校正器は使うのは人力に蒸留水。
なんとエコなのでありましょう。
それに焼き印を押しています。
これは昭和のデザインにしたかったこだわりです。
見た目はシンプルですが実は細部にこだわっています。
後進国でも自分で修理が出来るようにチューブ・継ぎ手はどこでも手に入るもの。
シリンダのパッキングなどもすぐ交換できるような仕掛けにしています。
設計者は古林隊員でありました。
立派な搬送ケースも用意しましたよ。
女性でも肩から下げれるベルト付きです。
お値段は・・・従来の半分の50万円以下。
興味ある方はこちらをご覧下さいませ。
昨年より新聞発表や新製品発表会などを展開しておりますが、
とても評判が良かったです。
「こんな簡単な方法・・・なんで誰も思いつかなかったのだろう?」
僕にとってこれが1番の褒め言葉になりましたね!