湿度を極める!その2の1・・・湿度センサの種類と選び方

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湿度計はいろいろな種類があります。

ハンディタイプ、データロガ、変換器等々。

でも、これは湿度をどのように計るか・処理するかの方法の事なんですね。

やはり、一番重要なのは湿度センサなのです。

 

湿度センサにはいくつかの原理があってそれぞれに特長やクセがあります。

もちろん測定データにも影響することだと思います。

ここでその種類を紹介すると共に・・・

湿度計の正しい選び方を紹介しましょう!

 

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湿度センサを大きく分けると高分子抵抗式(左)と高分子静電容量式(右)の2種類に分類されます。

現在、世界的に主流なのは高分子静電容量式になっていますが、

シェアは少しだけ少ないですが高分子抵抗式にも優れた特性があります。

 

共に湿分を吸湿、脱湿する感湿材を使用し、電極間を橋渡ししている構造になっています。

その電気信号を電気抵抗で捉えるのが高分子抵抗式湿度センサ。

その電気信号を電気容量で捉えるのが高分子静電容量式湿度センサなのです。

【電気抵抗式】
・構造が簡単で、大量生産ができ、また、比較的安価である。
・電気抵抗を測定するためにノイズに強い。その為にセンサ部を
小型化する事ができ、センサケーブルも細くすることが可能。
・原理上10~20%以下が測定が出来ない。

【静電容量式】
・応答速度が早い。
・高温・低温度域での使用が可能。
・低湿度測定に優れる。
・静電容量を測定するためノイズに弱い。したがってシールド性が必要で
ケーブルなども太い。

大まかにこんな特長があります。

 

ただし・・・ここに大きな落とし穴があるのです。

基本になるセンサの性能は良くても、

後処理の電気回路のポテンシャルにより性能が決まります。

やはり、同じセンサを使用しても安価なものは低いですし、

高額な物は性能が高いのです。

 

さらに湿度計メーカーが校正に使用する湿度発生装置のグレードにも左右されます。

このアウトドア科学研究所の母体である㈱第一科学は、

国内のほとんどの湿度計メーカーに校正用の湿度発生装置を出荷しているので・・・

それをよく知っているのですね。

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ちょっと話はそれてしまいますが高分子抵抗式湿度センサのお勧めを紹介します。

製造会社は神栄テクノロジー社。

ノイズに強い特性を活かしセンサヘッドも小さくケーブルも柔軟な湿度センサ。

実験などにはとても重宝するので私もよく使います。

これはとても使いやすいので興味ある方はこちらをご覧下さい。

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かなりマニアな話ですが湿度センサだけでなく一緒に搭載されている温度センサも重要です。

こちらは残念なことに廃番になってしまいましたが湿度計の名作TRH-CA。

これも製造会社は神栄テクノロジー社。

左側の写真で白いのが湿度センサで右側の小さな玉が温度センサです。

実はメーカーのこだわりは温度センサーの脚の長さにあるんですね。

温度センサの脚を長くすることで早く空気温度が計測できるノウハウです。

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これはスイスのロトロニック社の温湿度センサ。

私の知る限りでは湿度計では現在1番良いのではないでしょうか・・・

こちらは基板を先端まで伸ばしそこに温度センサを付けています。

これで温度応答性を高める工夫がしてあるのです。

最近のほとんどの湿度計にはこのような工夫がされていないのが実情であります。 (残念

私の1番お勧めの湿度計はこちら!→計測用温湿度センサ

さて、まだあまり知られていない湿度センサがMEMS湿度センサと言われているものです。

まさに画期的な湿度センサなのですね。

感湿部は高分子静電容量式湿度センサですが、

センサだけでなく電気回路も湿度センサチップに搭載されているものです。

ウィキを検索すると・・・

「MEMS/Micro Electro Mechanical Systemsは、
機械要素部品、センサ、 アクチュエータ、電子回路を
一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスを指す。」

と書いてあります。

 

MEMS湿度センサの特長は・・・

【MEMS湿度センサ】
・出力はデジタル・アナログで湿度値を直接出力
・大きさは2mm~と非常に小さい。
・感湿部が数10μオーダーなので応答性が非常に早い。
・回路が含まれているために使用温度域は広くない。
・大量生産が出来る。

すでに自動車、携帯電話、パソコン周辺機器に組み込まれていますが、

計測器にはこれから期待されるセンサだと思っています。

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